WindowsOSで有名なMicrosoftは、MCP(Microsoft Certified Professional)という資格体系を整備しています。いわゆるベンダ資格というものです。
仕事柄、 Windows10を使った開発が多く、まとまった知識をインプットしようと思い受験しましたので、勉強方法と体験談を残しておきます。
たぶんMCSA(Windows10)を受験する人が少ないんでしょうね、日本語での体験談が全然見当たらなかったので、心細かったです。
ちなみにいきなり話の腰を折るようですが、僕が合格した70-698試験は2019年3月31日で配信停止(実施終了ということです)になりました。4月1日からは受験申し込みができませんので、ご注意ください。なお70-698試験も2019年4月30日に配信停止予定です。
今後1年以内に試験配信終了予定の試験情報はこちらで確認できます。
とはいえMCP試験を初めて受ける方や、今後登場するであろうWindows10関連の後継試験の受験時にも役立つ情報だと思いますので、ぜひお読みください。
MCSAについて
本題に入る前に少し周辺情報を。
MCPでは特定の試験に合格すると認定を受けられます。この認定は難易度順にMCSA < MCSE < MCSDとなります。さらにそれぞれの認定は技術領域や製品ごとに分類されていて、後ろにカッコ書きで表現されます。
たとえば僕が取得した Windows10のMCSAだと、MCSA(Windows10)といった具合です。ほかにはMCSA(SQL Server)とか、MCSA(Windows Server2016)とかがあります。MCSE以上になると特定製品というより技術領域に近くなります。
MCSA(Windows10)の認定要件
70-697、70-698という2種類の試験に合格する必要があります。だいたいの情報はこんな感じです。
受験料:それぞれ¥21,103(たかい!)
試験時間:120分
(公式ページでは150分となっていますが、問題解答できる試験時間は120分)
合格発表:当日
試験範囲は以下です。それぞれについてひとこと感想を書いておきます。
試験範囲(70-697)
・Windowsの実装:bcdbootとbcdedit混乱しがち。
・コアサービスの設定とサポート:記憶域の構成が馴染みがなくて難しめ。
・Windowsの管理とメンテナンス:バックアップと復元の方法が複数あるので、それぞれの特徴を整理する。
試験範囲(70-697)
・アイデンティティの管理:TPMチップがなくてもBitLockerは構成可能。
・デスクトップのデバイスと配置を検討する:ユーザープロファイルの種類で混乱しやすい。
・Microsoft 365ソリューションの計画と実装:Microsoft Intuneはややこしい。
・ネットワーク構成:Windowsファイアウォールは基本的にデータ受信を防御する。
・記憶域を構成:スパン、ストライプ、ミラーの区別がつけばなんとかなるかも。
・データアクセスと保護を構成する:共有アクセス許可とNTFS許可の違いはふつうに役立つ。
・リモートアクセスを管理する:VPNのセキュリティはややこしい。
・アプリを管理する:Remote AppとAzure Remote Appがごっちゃになる。
・アップデートと回復の管理:ファイル履歴の設定をどこから行うか覚えにくい。
ところでベンダ資格にありがちですが、こういった試験要項は予告なく変更される場合があります。70-697、70-698は2016年頃にスタートした試験ですが、試験範囲がビミョーに改訂されてたりします。698はこれ、70-697はこれです。そんなに大幅な改訂ではないみたいですが。
参考書と問題集
勉強に使ったのは以下の本です。勉強時間は業務で関連領域を使っていたこともあり、およそ1ヶ月の勉強で両方取得できました。
Amazonのリンクを貼っておきますが70-697は2019年4月30日、70-698試験は2019年3月31日で配信停止されるので、購入するつもりの方は注意してください。勉強にはなりますが、後継試験の参考書がすぐ出そうな気もしますので。
赤本をざっくり読み込み、巻末についている模擬試験を3週しました。スピードマスター問題集はなぜか697のほうしかありませんでした。しかも赤本とスピードマスターでかなり問題のテイストが違う・・・。個人的には赤本をやり込めば十分だと思います。
MCSAの申し込み方
ベンダ資格はほとんどがピアソンという会社を経由して申し込みます。MCP試験の場合はさらにMicrosoftアカウントも必要です。
受験場所はたいてい、テストセンターという謎の施設で受けることになります(きっとご自宅の近くにもある)。テストセンターはピアソンで申し込みするときに検索できるのでご心配なく。
ピアソンとMicrosoftそれぞれのアカウントを持っていない方は、次のページからピアソンとMicrosoftアカウントを作成してください。
試験当日の流れは動画でも説明があるので、当日の流れが気になる場合は確認しておきましょう。
テストセンターでの流れ
バウチャーの買い方
MCP含むベンダ試験の受験料はいつ支払うのかというと、ピアソンで受験申し込みをする際にクレジットカード決済ができます。ただ試験を申し込むだけならこれでオッケーです。領収書はアカウント作成時に登録したメールアドレス宛に送られてきます。
なお、ちょっとおトクに試験を受けるには、バウチャーというものを買うと良いです。これは受験用チケットみたいなものです。ちょっと値段は上がりますが、再試験2回までは無料とか、模擬試験付きなどオプションがついたバウチャーもあります。MCPの場合バウチャーはmindhubというサイトで買う事になります。
バウチャーを購入する場合は、面倒ですがmindhubでもアカウントを作成する必要があります。購入時は配送先として住所を入力させられますが、バウチャーの番号はアカウント作成時に登録したメールアドレス宛に送られてきます。なお、mindhubで購入したバウチャーの領収書はサイト上からダウンロードできます。
参考書と試験内容の相違について
僕は上述の参考書と問題集だけで勉強しました。ちなみに70-697の方が難しいです。分野が広いのと、モバイルデバイスの扱い(Microsoft Intune)についてなかなかイメージが掴めなかったのでそんな感触がありました。
また、70-697、698ともに参考書と実試験では設問のテイストがだいぶ違います。最初は結構面食らいました。Microsoft公式の模擬試験だとそんなことないのかな?
問題数は人によって違うようですがおおよそ50〜55問くらい。どちらの試験でも最初の10問は後から振り返り不可の問題でした。
説明文が「後戻りできません」みたいに書いてあるので、正直めちゃくちゃ焦りました笑
この問題群は、選択肢を選んだあとに次の設問へ進むともう戻れません。残りの問題は振り返り可能な設問でした。
そしてちょっと気をつけておきたいのですが70-698の試験でふつうに70-697の内容が出題されていたことです。試験後に参考書を見直して確信しましたが…これも焦りポイントのひとつでしたね。そういった種類の問題数が多くなかったのは幸いです。
記憶域とNTFS許可・アクセス許可は互いの参考書の内容もカバーしておくと万全です。
箇条書きテキストで記述されているトピックに関する質問が出題されますが、これらに限定されるものではないことに注意してください。
https://www.microsoft.com/ja-jp/learning/exam-70-698.aspx
合格発表のタイミング
テストセンターだと試験終了後に即結果が分かります。パソコンで試験終了をぽちっと押したあとに試験結果が画面に出ます。最初はテスト終了後にメールで合否連絡でも来るのかと思っていたので、結構びっくりしました。
あとはテストセンターの受付で点数が記載されたスコアレポートがもらえます。
合格後にもらえるもの
MCSAに合格したときにもらえるものをまとめておきます。Microsfotアカウントのダッシュボードからダウンロード可能できます。
・認定書
pdfファイルの合格証明書です。どこかに合格証明を提出する場合はこれでいいんじゃないでしょうか。これの他にもMCPで合格した試験、認定資格が日付入りで記載されたトランスクリプトというものもあります。
・バッジ
→パス(合格)した試験ごとに発行されるものと、認定取得した際に発行されるものがあります。発行といってもただのpngファイルですけども。
ではでは。