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20代会社員。人生を一歩ずつ、歩いています。

実用文の書き方から見る富士通広告の面白さ

ブロガーズフェスティバル2017でのセッション参加をきっかけに実用文の書き方(いわゆるテクニカルライティング)を学んでいます。まあ、本を読んでいるだけなんですけどね。

わかりやすい文章の書き方を意識していると世の中の色々な文章が気になるもので、電車内でつい目を惹かれてしまうものに「富士通のヒューマンセントリックQUIZ」があります。

広告としてのライティングの面が強いかもしれませんが、ちょうど勉強している「実用文の書き方」という観点で見るとなるほどなぁと思ったので、それについて書いてみます。

「ヒューマンセントリックQUIZ」とは

富士通が提唱するヒューマンセントリック技術について、実際にその技術を組み込んだARROWSというスマートフォン端末を紹介するクイズ形式のコラムです。月替わりで、電車内の広告として掲示読されています。

コラムはおおよそ
1.富士通の◯◯な技術とは?
2.三択の提示
3.解答と解説
という構成になっています。

twitterで検索してみるとおおむね好評なようで、選択肢のゆるーい感じがウケているみたいですね。
このコラムが始まったのはなんと2010年。当初からクイズ形式を取っていたようです。

コラムのどこがうまいのか?

このコラムを改めて読んでみると実用文のテクニック、特にパラグラフの展開がうまく使われている印象です。一例として10月のコラムを抜粋します。

「富士通の2つの仕組み」
ひとつは独自のアルゴリズムによる学習機能です。ハンドオーバーする時、M357がアクセスポイントの全チャネルと過去の学習で得たチャネルを照合。最適なチャネルを選択しておくことで一番強い電波をキャッチできるようにしたのです。

もうひとつは環境に合わせた設定に変更できるようにしたこと。アクセスポイントを探すタイミングや周期、切り替えるポイントを自由に設定できるようにしました。

これらの技術を組み合わせることでスムーズかつ確実なハンドオーバーを可能に。途切れにくいIP電話を実現したのです!

http://www.fmworld.net/product/phone/ad/

(2017年10月 富士通のスマホが途切れさせないものとは?)より引用。tempo96が適宜改行を入れています

ハンドオーバーはアクセスポイントの切り替えのこと、M357は商品名です。これら用語は前段できちんと説明がなされていますので、あしからず。

まずこのパラグラフ(段落)のタイトルで、2つの仕組みによってM357が便利であることを説明すると主張しています。
続く説明で「ひとつは〜、もうひとつは〜」と文が連結されているため読み手の期待を裏切らない、読みやすい構成です。

また、おそらく重要度の高い順に仕組みを並べていると思われます。「独自のアルゴリズムによる学習機能」が重要アピールポイントなので少し長めの文で説明し、「環境に合わせて設定が変更できること」はさらっと触れる程度に留めています。

電車内の広告枠を活用するために、提示する情報量をコントロールしているのでしょう。

更に実用文で重要な「読む相手の想定」ですが、電車内の掲示で素人が読むことを考慮して、あまり難しい言葉は使わないようにしているように見えます。こうして眺めてみると、短い文の中にもいろいろ気が使われているのですね。


ところで先ほどの引用ではパラグラフのひとつを抜粋しましたが、コラム全体でもなかなかうまくまとまっていて、パラグラフのタイトルだけ抜き出しても大まかな内容が把握できるようになっています。

全体タイトル
「富士通のスマホが途切れさせないものとは?」
各パラグラフ
「途切れないIP電話を」
「早くても遅くてもダメ」
「富士通の2つの仕組み」(引用箇所)

クイズ形式のタイトルで読み手の興味を惹き、そのあと詳しい解説を入れるパターンですね。


実用文の詳しいテクニックは他にもたくさんあるので、全体像を掴みたい方はこちらの本を一読ください。

今回は取り上げていませんが、「別の言葉で説明しない」とか「ワンセンテンス/ワンアイディア」といった原則もちゃんと守られています。


ちなみにわざわざ電車に乗らなくてもインターネットで今までのコラムを読めます。

まとめ

読みやすい文章の書き方は、特にブログを書いているとなんとなくで身につけている方は多いんじゃないかと思います。

そういった経験則を体系立てて整理された知識と照らし合わせてみると、より腑に落ちるかもしれませんね。


ではでは。



記事中の本は、ブロガーズフェスティバル2017の長谷川賢人さんセッションでご紹介いただいたうちの一冊です。
tempo96.hateblo.jp

もう一冊、「理科系の作文技術」について書評と演習に取り組んでみた記事です。
tempo96.hateblo.jp